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みき訪問マッサージブログ CONTENTS

1.アルツハイマー型認知症と訪問鍼灸マッサージの相乗効果

アルツハイマー型認知症は高齢者の中で増加している脳の疾患です。

症状が進行すると、日常生活のサポートが必要となりますが、
最近の研究によれば、鍼やマッサージが一定の効果を示すことが明らかになってきました。

訪問鍼灸マッサージ師として、どのような対応が可能か、エビデンスに基づきご紹介します。

2.病態

アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が損傷・死滅することにより、
記憶や判断力などが低下する疾患です。

特に海馬という部位が影響を受けるため、新しい情報を覚える能力が減少します。

3.原因

遺伝子の変異、脳内のアミロイドβタンパク質の蓄積、環境要因などが原因として考えられています。

近年の研究では、慢性的なストレスや不健康な生活習慣も影響するとされています。

4.症状

・短期・長期記憶の障害
・判断力、推論能力の低下
・言葉を見つけるのが難しい
・感情の変動や混乱

5.治療法

現在、完治する治療法は確立されていませんが、
症状を緩和する薬やリハビリテーションが提供されています。

また、脳の活性化を促すトレーニングや、日常生活のサポートも重要とされています。

6.訪問鍼灸マッサージ師としての役割

研究によれば、マッサージや鍼は、アルツハイマー型認知症の患者さんにおいてストレスや不安の緩和、
身体の緊張の解放、睡眠の質の向上などの効果が確認されています。

・ストレス緩和: 一部の研究では、マッサージがコルチゾール(ストレスホルモン)の
レベルを低下させることが示されています。(Smith et al., 2005)
これにより、認知機能の低下を遅らせる可能性があるとされています。

・循環改善: 鍼やマッサージは血流を良くする効果があると言われています。
良好な血流は、脳の酸素供給を促進し、神経細胞の活性化に繋がります。

・家族のサポート: 訪問鍼灸マッサージ師は、家族に対してもマッサージやストレッチの方法を
伝授することで、患者さんの日常的なケアをサポートします。

7.エビデンスに基づく研究結果

・マッサージの効果に関する研究
Field et al. (1996)の研究では、老人ホームの高齢者を対象にしたマッサージ療法が、
ストレスホルモンの低下や認知機能の改善に寄与することが報告されています。

・鍼の神経保護作用
Lee et al. (2012)は、鍼が脳の神経細胞の保護や再生に役立つことを示唆する結果を報告しています。
これは、アルツハイマー型認知症の治療において、鍼が有望な補完療法である可能性を示しています。

参考文献:

Field, T., et al. (1996). Massage therapy lowers cortisol levels in elderly subjects. Journal of Gerontology.
Lee, J.H., et al. (2012). Neuroprotective effects of acupuncture in neurodegenerative diseases: a review. Neurological Research.
Smith, M.C., et al. (2005). The benefits of massage therapy for older adults. Journal of Geriatric Physical Therapy.

8.まとめ

アルツハイマー型認知症の進行には多くの要因が影響していますが、
訪問鍼灸マッサージ師は患者さんの身体的、心理的な緊張やストレスを軽減するサポートを提供できます。

アルツハイマー型認知症に対する現代医療のアプローチは日々進化しています。
訪問鍼灸マッサージ師は、その一部として、患者と家族のサポートを続けていきます。

最新の研究や治療法を取り入れながら、患者一人ひとりの生活の質の向上を目指しています。